フクフク丸のあずましいblog
あずましい=快適、すごしやすい  アナタの「心の元気」を引き出す   「漢方薬」に私はなりたい。
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2009/01/08 Thu  18:24:03» E d i t
 » 消え行く風景 
 飲んだあとは「〆にラーメン食ってくか。」

 
 高架下から竹ざおで高々と上げられた赤提灯を目指して、釧路の斬るような寒風の中を友達と背中丸めて歩いた。
 屋台を包むようにビニールテントが張られていて、その中に入った。
 「じゃ、みそ2ツ!」「はいよッ!」手際良くオジサンは麺をゆでると、ドンブリをお湯にくぐらせて温め、スープを注ぎ、麺を湯切りしてスープに落とし込む。ネギとチャーシューを並べて「はい!みそ2ツお待たせ!」。ラジオから深夜放送のリクエスト番組が聞こえていた。

 ビニールテントの中でも息は白い。
 ラーメンから立ち上る湯気でメガネが曇ったからメガネをテーブルの縁に置き、まずは割りばしを割って麺を伸ばし、「ふーッ、ふーッ」と二度ほど息を吹きかけて一気にそれをすすり上げる。

 シチュエーションなのだろうか、それとも単純に味が良かったのだろうか、きっとどちらも理由としては正当で、500円玉で十分な満足を得られるその屋台に学生時代の私達は数回行った。
 本当にあったかい味だった。なかでもしょうゆとみその「ミックス」というオリジナルラーメンが大好きだった。

 卒業した後もその屋台を数度訪ねたが、そのうちその高架橋を通りかかっても赤提灯は見かけなくなってしまった。
 あったかい味は思い出という最高の調味料で美化されて、やがて記憶の片隅に追いやられた。



  あれから10年も経っていた。

 
  
 正月、嫁さん。の実家で宴会の後「ラーメン食いたいなぁ」と言ったら、義父が「最近、この近所にラーメン屋台がオープンしたんだ」と。「でも、正月だからやってるかなぁ~」と義父がプイッと姿を消した。トイレでも行ったんだろうと、親戚達と酒を飲んだ後特有のグダグダをやってるうちに、義父が小躍りしながら「やってた。やってたから行って来なさい」と戻ってきた。

 え?見に行ってくれたの?すいませんお義父さん・・・恐縮です

 義弟と二人で、銭湯の角を曲がると、見覚えのある竹ざおと赤提灯が目についた。

 「・・・え?あれ?」
 それはまさにあの屋台だったのだ。
 ビニールテントに他の客はなく、私たちの貸切だ。飲み屋街でもないのに正月二日の晩に出歩く人なんてそう多くはないだろう。 

 「ミックスラーメン、麺大盛り、チャーシュー山盛り!」750円!!

 「はいよッ!」オジサンはいくぶん老いたが、あの頃と変わらぬ手つきで手際良く麺をゆで、ネギを刻み、チャーシューを切り分けて、どんぶりをお湯にくぐらせて、スープを注ぎ、ラーメンを作る。あの頃とは体格も変わってしまった私が、相変わらずメガネをテーブルの縁に置いて、背中丸めてそれをすする。

 
 やはり、あったかい味がした。うれしい味がした。
 記憶は思い出の中で美化なんかされちゃいなかった。
 スープも全部飲み干す完食。
 


 オジサンに10年前の話をしてみる。
 「あぁ。年とってね、さすがにあそこまで行くのがしんどくなったからさ、こっちにしたの。家、そこだし。」
 「屋台はね、釧路には二軒しか残ってないの。衛生面とかいろいろあるんだろうね~申請しても許可が降りなくなっちゃったから、増えないのさ。だから、俺と彼がやめちゃったら釧路の屋台は全滅さ」
 
 屋台。
 私の住む田舎町には屋台というものが存在しておらず、テレビなどで時折目にするラーメン屋台とかおでん屋台に憧れを抱いたものだった。いつか大人になったら、屋台で何かを食べながら屋台のオヤジが注いでくれるもっきり(升にコップを置いて日本酒を注ぐヤツ)で一杯やるというアレに強烈に憧れていた。

 大人になったら屋台なんてもう流行らない時代になっていた。
 どこに行けば屋台に出会えるんだろう?
 
 その夢を叶えてくれたのがこのオジサンだった。
 この屋台にはビールしか置いてなかったから、もっきりの方はまだ叶っていない。
  
 おでん屋台に行ってみたいなぁ。

 でも、今は屋台が減って行く時代。屋台全滅までのタイムリミットは案外近い。つまらない時代になっちゃったなぁ。
 哀愁も漂わない小奇麗な居酒屋チェーンでチューハイじゃ、気持ち良くすすり泣けねぇだろ。

 ホッとできる風景が消えて行くなぁ。
 あったかくなれる、優しい気持ちになれるそんな場所から先に失われていくような気がするのは、なにも私が年を取ったからそう感じるわけじゃないだろう。
 つまらない時代になっちゃったなぁ。


 オジサンと握手して深々と頭を下げて、屋台を後にした。
 うれしい再会だった。
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コメント
この記事へのコメント
いいなぁ~
>お小遣い30円くらいで、
「はんぺんと、ちくわぶー」とか言って買えてた良き時代でした。

 さっすが鼻の(じゃなくて華の)25歳!その頃に戻りましょう思い切って。羨ましい。
 
 さてさて、ラーメン屋のオジサンが私を覚えているわけでもなかろうに、勝手に盛り上がって勝手に感激してる客にそりゃもう戸惑った事でしょう。
 ま、気にしませんけど。
 外気に当たりながらだから美味く感じるというのはあるかも。すきま風吹くプレハブのラーメン屋が隣町にあるんですが、ここのラーメン屋は美味くないなぁ・・・流行ってるけど

>最近は焼きイモ屋もオサレになっちまって、色んなフレーバーがあったりなんかするみたいで。

 なんか、ね~ぇ?じゃねいですよ。それもう犯罪ぢゃねぇですか!姐さん!!栗より美味い十三里ですよ!
 焼きイモに一体、何のフレーバーを!?
 未知!未知!未知!未知!未知!未知ィィィィ~ッッッ!!

 いっくらフレーヴィーになったところで、消化過程で出て来る気体v-18までもがフレーヴァブルになるワケでもないでしょうにねぇ。

 え?それとも「焼きイモ」のかほりがほのかに香るフレーヴァーが何かに存在するってことですかい?
2009/01/12 Mon 17:35:42
URL | フクフク丸:to レンゲ姐 様 #oKAhFFW. Edit 
確かにぃー。
嬉しい再会ですね。
屋台のラーメンってさ、何故か んまいんだよね~。
外気にあたりながら食べるから、余計にうまさが増すんでしょうかね。

ワタシが子供のころは、おでんの屋台のおじさんがカランカラーンと鐘を鳴らしながら町を周ってたよ♪
屋台と言っても、決まったところに店を構えるわけじゃなくて、おじいちゃんが歩いて屋台をひいてまわってました。
それも昼間だから客はほとんど子供で、そのカランカラーンの音を聞きつけて、遊んでる子供達が集まってくるわけ。お小遣い30円くらいで、
「はんぺんと、ちくわぶー」とか言って買えてた良き時代でした。

最近は焼きイモ屋もオサレになっちまって、色んなフレーバーがあったりなんかするみたいで。
オサレな焼き芋なんて・・・・なんか、ね~ぇ?
2009/01/11 Sun 18:45:44
URL | レンゲ #CIo.SJik Edit 
意外にも
 タレコミ(笑・・・太陽にほえろ!時代の死語かぁ・・・今じゃ「情報をリーク」とか言いますもんね)ありがとうございます。

> 東京は、賑やかな駅前にあるよ

 ま・ぢ・で・ぇ・ぇ・ぇ~v-352
2009/01/10 Sat 05:42:11
URL | フクフク丸:to 鍵コメ 様 #- Edit 
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このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009/01/09 Fri 23:23:33
| # Edit 
哀愁屋台
 オヤジ)お、大曲といやぁ、花火大会も有名だべし。

 女性が本格的に社会進出するキッカケになったのが1985年の男女雇用機会均等法なのだそうで、ちょうど日本はその頃バブル経済が膨らむ一方の好景気で、哀愁なんていらないムードだったらしいです。

 多分、イメージでは屋台はオトコの哀愁社交場のような気がするんです。ドラマでもマンガでも、仕事帰りのサラリーマンの寄り合い場所で、女性客はせいぜい来てもワケ有りのホステスさんくらいのイメージで。いわば、男女雇用機会均等法以前の歴史的遺物みたいな。

 飽くまでもイメージなんですけど、店を構えていないという時点で屋台のオヤジさんが金持ちというイメージは無くて、「うらぶれた」とか「しみじみ」とかって言葉がしっくり来てて、そこに集まってくる人たちみんながそういう感じで、頑張っても上手くいかない時や誰にも見せられない心の傷みたいなものを分かち合ってもらえそうな暖かさがあるんですよね。哀愁なんですよ。

 オヤジ)いらっしゃい!寒いネェ~

 丸  )ね。景気も底冷えって感じでさ。客も少なくなったっしょ?あ、ちくわとこんにゃくちょうだい。

 オヤジ)わたしもここで30年商売やってますがね、良い時も悪い時もありますよ。けどね、わたしはここに来てくれるお客さんにあったかいものをお出しすることしかできないんですよ。少しでも、温かくなって家路についてほしいってね。それだけでやらしてもらってます。はい、ちくわとこんにゃく。

 丸 ) いいねぇ。みんな同じなんだよね。結果ばっか求めてあの手この手とせせこましい世の中になっちまって。でもさ、何かに一生懸命打ち込んで、それがちょっとでも誰かの心に染みればさぁ、嬉しいよね。あ、お酒ちょうだい。ヒヤで良いから。それとがんもと大根。

 オヤジ) はいよ。いくら便利になってもおでんに味が染みるには弱火で長い時間煮込むしかないんだよね。人の心も同じでさァ、少しずつ長い時間が掛かるんじゃないかなぁ。今の世の中は結果だけが全てみたいだけど、そこに辿り着くまでみんなそれぞれの道のりもあるし、時間の掛かり具合だって違うと思うんだよね。
 はい、冷酒にがんも、大根っと。

 丸 ) くぅ~、沁みる。泣けてくるよ。

 沁みたり、心がすすり泣くような哀愁が今の時代には絶対必要だと思うんですよ。それが癒しになって、明日への活力になるような。

 よ~し、私は必ず探し出して、おでん屋台を経験しますよ。
 絶対行ってやる!
 
 屋台情報求ム!
2009/01/09 Fri 06:24:16
URL | フクフク丸:to ひまわり 様 #oKAhFFW. Edit 
屋台
いいねえ屋台♪

>哀愁も漂わない小奇麗な居酒屋チェーンでチューハイじゃ、気持ち良くすすり泣けねぇだろ。

言えてる!(笑)
屋台はこっちにも無くってね、知ってる所では一か所だけラーメン屋台があるくらい。
屋台村ってのはあるけど、屋台チックな居酒屋がかたまっているだけ。
眺め的にも寂しいもんだね。おでんを食べられる屋台があったら、俺も一度行ってみたいな~。(笑)

ひ)親父~がんも。それと卵二つね。
ひ~っ!今日は寒いな~!(飲めないけど笑)熱燗をチビリ。
ク~ッ!!あったまるなあ~っ!!
オヤジ)兄さん!生まれは何処ねい?
ひ)俺か~?俺は仙台だっちゃ~!(方言風に♪)
オヤジ)ほう仙台けえ!仙台ってのは笹かま有名だべ?
ひ)ん~んだな~。他に牛タンなんてのもあるよ!
地元では焼き肉屋に行った時ぐらいしか食わないんだけどねえ。オヤジさんは何処~?
オヤジ)俺か~?俺は大曲がら来たっぺ。
きりたんぽが有名だ~!!(爆)

ってまあそんな事をしたかったな~!と思います♪

そういう場所があったら是非、味のある雰囲気をたまには味わってみたいですね。
2009/01/08 Thu 23:58:01
URL | ひまわり #- Edit 
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