フクフク丸のあずましいblog
あずましい=快適、すごしやすい  アナタの「心の元気」を引き出す   「漢方薬」に私はなりたい。
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2008/04/24 Thu  05:48:26» E d i t
 » 現実、甘いか酸っぱいか 
 その理想の店の経営が赤字に転落したのにはいくつかの理由があった。


 その店は人々の理想を具現化したような素晴らしい店だった。
 店員の誰もが素晴らしい「おもてなしの心」を身に着け、全員が誇りを持って仕事をしていた。
 「お客さまは神様」「お客さまあってこその我々」という旗印の下、店内の清掃・装飾は従来のその業種の常識を覆すほどの徹底。

 「自らが誇りを持つために、自らが動き、誇れるような環境を整える。」
 誇れる自分であるためには、そうなるように生きる必要がある。
 そう生きていけば、その生き方自体を誇れるようになる。
 
 これは何よりも大切な真実。

 誇りは誰かに作ってもらうものではない。
 他の誰かが作り上げた栄光 のおこぼれに浴していても、それはそれで誇りのように錯覚するが、やがて自分の力で歩かねばならない時期が来たとき、その他人の栄光は自分の重荷に変わる。

 
 さてそんな信念の旗を掲げ、接客マナーではなくて「おもてなしの心」を大切にしながらスタッフを育て上げてきたその店が行き着いたのは、朝、始業前に店舗の前を掃除する事だった。
 やがて、スタッフ達は店舗の前を掃除し始めると、自分達の店舗だけではなくその周囲の道路の汚れまでも気になり始め、店舗付近の道路を2kmにも渡って掃除するようになる。

 当然、そこは商売。スタッフ達は店のジャンパーを着てその地域奉仕活動を続けた。

 やがて、それを目にした人たちが感謝や感心を伝え聞き、続々と店舗を訪れるようになる。
 
 誇りを持てるほど磨き上げた店舗に、おもてなしの心でもてなすスタッフ達。
 客だって夢見心地のひと時を過ごす事ができて、このお店で買い物をしたいと心の底から思えるようになる。

 営業スタッフが商品を売って歩かなくても、客の方から出向いてくる。飛び込み営業を掛けてお客さんとのやり取りの中で契約を取ってくる営業方法よりも、店舗全員で一丸となることによって店を盛り上げ、誇りと自信を持って商売ができる方向性。
 また、その熱意が客にも伝わり「この店から買い物したい」と満足した上で買い物が出来る。

 理想の店がそこにあった。

  


 
 上司や先輩が若い社員を指導し、同じような「志」を育てるシステムを作ることに成功したかのように表面上は見えていた。
 
 社会的に公明正大であり、何一つ落ち度はない。

 ように見えた。


 


 朝、出社する。
 
 先輩達がホウキ抱えて走って飛び出して行った。
 僕も行かなきゃ。
 これ、どこまでホウキかけるんですか?何時間やるの?
 腰痛い。なんで他人の店の前とかまでキレイにする必要があるの?

 さぁ、やっと業務だ!・・・けど、何?店内の掃除が業務なの?
 「お客さまが快適に過ごせる空間であれ」か。へぇ~。自分が客だったら確かに良いかも。
 え?そこさっき拭きましたよ?
 これでもまだ汚いんですか?うわぁ~徹底してるなぁ~。

 あ、お客さまだ。
 いらしゃいませ。ええ。ええ。そうなんですか~。大変ですねぇ~・・・

 快適な空間だから商品を買うためではなくて、ついつい寄ってしまうお客さまもちらほら・・・
 ・・・話、長いなぁ。さっきから愚痴ばっかだし。
 ・・・あ、向こうテーブルのアイツ、商談決めたみたいだぞ?
 え~っと、おもてなしの心だから嫌な顔もできないぞ~スマイルスマイル~^^

 やっとお客さんの愚痴が終わった~もう日が暮れちゃったぁ~
 えっ?ここから初めて僕の「仕事」が始まるんですか?
 何時に帰れるの~??
 
 「おーい、新人!明日も道路掃くから、定時の1時間前には出て来てくれよッ!」

 ・・・  

 そんな日が何日も続くと体力も続かず、自分のやっていることが何なのか分からなくなってしまって会社に行きたくなくなった。

 改善・改善と、改善ばかりを念仏のように唱えられ、重箱の隅をつつくというよりももっと細かい部分まで改善指導を受ける。
 それ自体に文句は無いし、それが正しいんだろうって分かってるんだけど、ちゃんとできてない自分が悪いんだよね。でもさ、自分の仕事を後回しにして朝早くから“神様”の下僕みたいなことやって、夜遅くに散らかり放題の自分の部屋に帰る。
 すぐ次の憂鬱な朝が来て、また下僕になる。
 
 なんだよ?
 僕ら、ロボットじゃないよ?




 志だけで人は生きるわけではない。
 各々の生活があり、各々の人生があり、各々の物語があり、各々の価値観がある。

 高き志を持った理想の店は、かくしてお客さまの心をつかみながら多くの従業員の反発もつかんでしまい、やがてスタッフの入れ替わりの激しい店となり、志が伝わる前にリタイヤして行く元スタッフ達は自分達は楽園の住人になれなかった事実を必要以上に重大にかつ後ろ向きに受け止めるだろう。

 さて、上記の新入社員の話は作り話に過ぎないのだが、彼が退社した後に例の愚痴客が「先日はお話を聞いてくれてありがとう。ところで、あの人から商品を買いたいんだけれども・・・」と訪ねて来て、彼が退社した事を知ったとしたら?

 あんな良い人が辞めてしまうなんて、この店はどうなっているんだ?
 って、思わないとは限らない。
 そして「負の噂」が広がるのは「正の噂」の100倍早い!!


 水清ければ、魚住まず━━━


 淘汰され、その店に残った者達は、自分が「善」でいられるその状況に満足感を感じられる人たちだったのだろう。
 高き理想について来る事ができなかった人たちにはちょっと悪い気もするけれど、他人様に喜ばれることをしてそれが最終的に商売に結びついていて、自分達のメシの種になっていることを誇りに思って良い。

 しかし。

 地域住民のためを思った朝の清掃も、“神様”のおもてなしも、全ては商品を買ってもらって儲けに結びついて初めて奉仕の意味を成す。
 やっている本人達にして見れば心の底からの“奉仕”だとしても、企業のロゴが入ったジャンパーを着て、自分達の店舗内外でやっている以上、それは企業にしてみればパフォーマンスであり、アピールであり、宣伝である。
   
 やがて、

 労働基準監督署が来て「奉仕活動も時間外労働である」ことを伝え、店は店員の「志」や「情熱」によって(すなわち社員によるボランティアで)まかなっていたサービスに対価を支払う事になった。
 社員は喜んだだろう。自分のやっている事が今までは他人の反応でしか確認できなかったものが、直接的に「お金」を伴うようになったのだから。

 店は一気に赤字に転落した。
 
 投資に対して効果が期待されるサービス(=業務)以上の、過剰とも呼べるサービス(=奉仕活動)に対しても賃金を支払うことになったのだから。

 
 法律という社会システムは冷酷なまでに平等に存在していた。
 人間が共同生活を送る上で不自由しないように作られたはずのそのシステムの中では、企業は温かい人間らしさや泥臭い人間臭さという羽で自由に世の中を飛び回れないらしい。

  
 夢は現実に負けるのか。
 現実は夢に追いつくのか?

 その店の挑戦は、そして調整はまだまだ続く。 
 
  
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コメント
この記事へのコメント
出ない答えは探さなくて良いですよ~
>経営って難しい

 ある視点から見ると正解でも、反対の視点から見れば不正解。だから正しい答えなんて無くて、どの角度から見れば自分が誇りを持って生きられるかという問いかけになってくるような気がするんです。

 気持ちや心が、特に都会では温かくないんでしょうね。だから、この店は都会に住んでいる人たちのそういう部分にアピールしたかったんだろうと思います。一生懸命掃除してる人を見たら「冷たい人」とは思いませんもんね。キレイな店内を見たら「立派な店だ」と思いますもんね。接客じゃなくて「おもてなし」をされたら心もほぐれますもんね。
 立派な「経営戦略」ですよね。

 ただ、それが直接的に販売につながるとは限らない。そこを商売につなげて行くという「隠れたズルさ」が徹底していないと経営は成り立たちませんからね。

 敢えて何を売っている店なのかを伏せて記事にしたんですけれど、これ、何を売っている店だと思いますか?
 単価が高くて、なかなか購買に手が届かなくて、それでもあって使えれば便利で、それを所有していること自体がステータスにもなる。

 車です。

 利幅がある商品であればこそ、それが可能だというほどの過剰サービスのお話ですからね~。誰にでもできるわけじゃないし、確かに悪い事じゃないけれど、世間的に良いと思われることにも意外とそうでもない部分もあるよ~ってなことを書きたかったんです。
 
 >香川には、うどん屋が沢山

 ええ。ユースケサンタマリアと小西真奈美の映画を見ました。
 面白かった。
 その映画にうどん屋が栄えているのに潰れて行く仕組みも描かれていました。
 自分達のできる範囲を逸脱するとバランスを崩して倒れてしまうんですよね。 
 

 え!?・・・トイレの掃除や草むしりは分かるんですけど、ガードレールの汚れまでも気になるのですか?
2008/04/25 Fri 06:19:14
URL | フクフク丸:to エレクトラ仁子姐 様 #oKAhFFW. Edit 
奉仕の方針
  この店の話ね、テレビ番組でやってたんですよ。
 ほら、最近はバラエティー番組乱立の反動でガチガチに硬派なビジネス研究番組みたいなのが多いじゃないですか。

 その番組を見たら、そこの店は「理想の店」として紹介されてた。で、たまたまその企業の系列の会社で働いている知人にその番組の話をしたら、現実の話を教えてもらったって感じで、たまに「自分なりの結論や感想」を書かずにキレイ事とその裏側にある現実をアレンジしながら記事にしてみました。

 >自発的にやりたいと思わないと、それはやはり奉仕では無く、労働ですよね。

 労使の線引きが曖昧だと企業側の労働搾取が問題になってそれこそhi_me姐さんがヒ_メ姐さんになってしまう野麦峠のような状況になってしまうから、労働基準法ができたんですよね。
 まぁまぁ、社員の心や志に線引きをするのは難しいことですが、その時間や労力をお金に引き換えて、そのお金を仲立ちにして生活が成り立っているという貨幣経済の根源を考えると、社会や会社に対する本当の意味での「奉仕」って言葉は仕事が休みの日にも自発的にスタッフジャンパー着て同じように道路清掃をしてる人のみが使える言葉かもしれません。
  
 >皆が、同じ常識を持っていればマニュアルなど必要は無い

 法律もまた然りですね。
 100人いれば100通りの考えがあり、さらにそれらが触れ合うことで無限の解釈が生まれてくるわけで、世の中、右を向いても左を向いてもややこしいことばかりでございます。

 ただ、己が信じ込んだ真実に向かって生きていれば良いってもんじゃない。
 そして、成功して礼賛されようと失敗して後ろ指さされようとも、現実は続いて行く。続くんですよね。生きていれば。それがその人の味になる。

 だから人生は面白いんですよね!
2008/04/25 Fri 05:57:56
URL | フクフク丸:to hi_me姐 様 #oKAhFFW. Edit 
3度読んでも
私には、難しい v-356
経営って難しいって事しか書けません。

香川には、うどん屋が沢山ありまして有名なお店は
遠方より来て並んでおります。
その一方で、経営難でなくなるお店もあり、大変です。守っていくことも大変な事ですね。

私は、トイレが綺麗に掃除出来ているお店が好きですね。あと、ガードレールの汚れとか、草とか掃除したくなるんです。
2008/04/24 Thu 20:13:52
URL | 仁子 #2SR1LeQs Edit 
理想と現実
奉仕って、本当に難しい。人から言われてやるものでは、ない事は確かだ。その会社の社員全員が、自発的にやりたいと思わないと、それはやはり奉仕では無く、労働ですよね。

チェーン店にあるマニュアルの様に。仕事の一部にスルシカないのかもしれない。和民の社長さんの本の中で、皆が、同じ常識を持っていればマニュアルなど必要は無いのだ。と書かれていましたが。やはり人間100人いれば100通りの考えがありますからね。
難しいですよね。
2008/04/24 Thu 13:00:19
URL | hi_me #- Edit 
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