- 2006/03/27 カズノコ、バリボリ。②高いにはそれなりにワケがあるんだってばさ。
カズノコが製品になるまで!その道のりは険しく、長い。
非常に面倒臭い。そして、それを上手く説明するのも面倒臭い。
でも私は挑戦する!なぜならば踏み出した道だから・・・ああ、うっとり。
何から説明すれば良いのさ~!!?ムキ~~ッ!!!!
じゃあまず、簡単に覚えておきたい事から書きます。
●カズノコの保存、保管方法の歴史。
ずっと昔、昭和20年代の私の父親が生まれた頃。北海道の日本海側はニシン漁でフィーバーしました。その当時は上下水道および冷凍保存技術が発達していませんから、カズノコの保存方法として塩漬けと乾燥があったそうです。
ニシンから取り出したカズノコを海水にさらしておいてキレイになったところで塩に漬け込むか、天日乾燥させて「干しカズノコ」にしたんだそうです。
ちなみに「干しカズノコ」は現在でも極々一部で年末に流通する超レア幻珍味です。これは水戻し(水にさらして)して料理に使うらしいですが、どんなものになるのかは私も知りません。
塩漬けの方から派生して、現在の塩カズノコになってるようです。
①カズノコをニシンから取り出しま~す。
鮭みたいに大きな魚ではないニシン。カズノコの生産量を増やそうと思うとそれはそれは大量のニシンを切らねばなりません。
大量に切る。それも確実にメスだけとは限らないニシンを、中の卵を傷つけないように・・・大きな魚とは違って、ちょこっとした動きや包丁の角度一つでカズノコが傷付くので気をつけなければなりません。
熟練を要する作業ですよ。
②出てきたカズノコを洗浄しま~す。
ハイ。魚の血だって赤いんだい!そうそう簡単に流れ落ちる物でもないさ。水にさらしとけばその内流れて行くだろうって思うところですが、そうでもないです。
塩水を何回も何回も交換して、だんだんキレイになって行くのですよ。
薄い塩水から超高濃度(飽和塩水・濃度約33%で水に塩が溶けなくなる)まで、段階を踏みながら交換して行く過程でカズノコのプチプチ(細胞)のひとつひとつの細胞液が浸透圧によって塩水に置換されます。また、血液が洗浄されてカズノコの色は落ち着きます。
さらに、寄生虫アニサキスが付いていたり刺さっていたりします。
アニサキス。見たことありますか~?ほとんど無いでしょ?糸くずみたいな、肉眼で確認できる寄生虫ですよ~。
私も初のご対面の時にはたじろぎましたが、今ではスーパーの生イワシとかの表面を蠢いてるのを見ても落ち着いて店員に指摘するくらいに成長しました。
ニシンの腹の中に生息してて、カズノコにも付いてくる場合があるんです。アニ~が生きてると、場合によっては激しい腹痛を起します。死んでたら問題ないけど。とにかくそんなもん食べたくないですよね。
アニサキスをやっつけるには、
のいずれかの手順が必要らしい。(覚えとけば良い事あるさ。)①60℃の加熱で即死 (焼く・煮る)
②-20℃以下で24時間以上冷凍 (凍結)
③虫体を切断 (イカの刺身に細かく入ってる包丁など)
ニシンは輸入される時点で凍結で数ヶ月も経て来ますから、アニ~は完全死滅してますが、それでも肉眼で見えるとなんともグロい。
まあ、洗ってる段階でほとんど取れちゃいますけども。
中の方に突き刺さって行ってるのはさすがに取れません。
③カズノコを漂白しま~す・・・か??
②の洗浄が終わった時点で出荷されるカズノコもあります。
それが「無漂白カズノコ」です。(→カズノコQ&A)
←これ。無漂白。
黒いのはニシンの腹の黒皮。これを全部手で取って製品になります。
無漂白が良いのか、漂白したのが良いのかそれは皆さんが決めてください。漂白について私は私の知っている事をそのまま書きますから。
カズノコの漂白の目的:血の色・黒皮・小さなゴミを取る。アニ~の屍骸を目立たなくさせてしまう。
カズノコ漂白の使用薬品:過酸化水素水 および カタラーゼ
濃度何%の水溶液で何時間とかは各社の基準があるでしょう。
カズノコQ&Aでは72時間となってますけど。
オキシドールを傷口にシュッと掛けると、ブクブクと泡が出てきますが、あれと同じ反応がカズノコにも起こります。ブクブク発泡で表面に付いた汚れや小さなゴミがあらかた剥がれ、浮かんできます。そのゴミを一網打尽ですくい取ってしまえばキレイになりますよね。
もちろん、傷口につける時と同じように殺菌と言う効果も見逃せません。雑菌は死滅します。
やがて、カズノコは本来持っていた生臭さとともに色を失い、漂白完了とあいなります。
しかして、過酸化水素水は以前、発ガン性のある物質として食品添加物に使用してはいけないと言う事になったのですが、その後の研究でカタラーゼによる完全な分解(過酸化水素として残留値が0になること)を条件に使用が認められたと言うグレーな過去があります。
ちなみに、過酸化水素水はカタラーゼと反応すると「酸素」と「水」という生物にとって毒では無いモノに変わります。
ほれ、難しい。
確かに薬品なんて使わない方が安心なような気がします。
無漂白カズノコを宣伝する時には「薬品を使わないから安心・安全」を謳い文句にします。
塩水で何度も洗浄して、飽和塩水に漬かった時点で大多数の雑菌は死滅しますし、アニサキスなんてとっくに死んでいます。
でも、誤解しないでください。
薬品で漂白しても、ちゃんと酸素と水に分解されて人体には影響ないという研究結果があって、ちゃんと認可を受けてカズノコは製造されているのですから。
でも、無漂白カズノコがもう一つアピールするのは味が濃くて美味い=血の色がついていてカズノコの味が濃いって事です。カズノコ本来の味わいが美味いとは限らないと思うのですが。
美味しそうなカズノコのイメージって、淡い黄色じゃないですか???
黄色いダイヤって呼ぶくらいなんだし。
どっちが良いのか、どっちを美味いと感じるのかは皆さん次第。
一応、私は「情報」としてココに書いて置きますから。
おはこんばんちわ。
私たちの体を組成する食物がどうやって食卓に上がるかをイメージできない人たちが増えているみたいで「いただきます」や「ごちそうさま」さえもないがしろにするような家庭さえも増えているらしいです。
我々は植物や動物の命を分けてもらって生きてます。それも、狩ってきた物を野生動物のように直接食べるでもなく、食べやすい形に調理するという工夫を経て、我々の口に入ります。
多くの生命や、調理してくれた人へのありがとうを込めて「いただきます」。
もちろん見た事もあります(さすがにキツかった;;)
イカ刺はなぜ細かく刻んであるのか
鯖は何故、塩と酢でしめるのか(傷みが早いのもあるケド)
・・・つまり、そういう事ですよね
見えるか見えないかの違いかなぁと w
新鮮なもの程いる確立は高い。確か(酢でしめても死なないとも)
でも私・・・
アニーは嫌いだけど
数の子もお刺身も大好きなんです!!(笑)
美味しいものには変えられません☆
もちろん、気にならないと言ったら嘘になるケド
例えいたとしても、胃の中では生きられないですしね
こんな風に、おいしく食べれるまでにしてくれてる職人さんに感謝感謝です♪
高いなりの理由があるって事も分かって良かった^-^
URL | ミケ #tujfqTUo Edit
普段食べてる肉類だって、元をただせばあんな動物やこんな動物だったワケですし、それをすぐに食べれる状態にして下さっているお仕事をされている方々がいて、我々の食卓に並ぶんですがね。
でもね。
こういう部分があって商品の価格や価値って形成されていくワケでしょ?
他人がやりたくないこと、できないことを請け負っているから仕事になるでしょ?だからみんながおいしい物食べれるでしょ??
これが当たり前の現実ですよ。
別に誰のマイナスになるような事も書いてません。少なくとも「無漂白カズノコ」の売り文句で漂白カズノコを悪い物と糾弾するような書き方はしてないはずです。
カズノコが高いというその意味を知って欲しい。無尽蔵に同じモノが作り出されるような無機質なモノでは無いのです。食べ物は。
っつーかグロイんじゃぁぁぁぁっ!!
アニ~ーの件とか、やだ・・・。
漂白してたなんてのも、ツユシラズです。まじっすか~。
この記事が、カズノコの一層のご発展のために吉となるか否か・・・。
少なくともあたしは今後、カズノコとイカの刺身の切り込み見たらアニーを間違いなく思い出しちまうわいっ(泣)ヽ(;´Д`)ノ
URL | レンゲ #CIo.SJik Edit
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