フクフク丸のあずましいblog
あずましい=快適、すごしやすい  アナタの「心の元気」を引き出す   「漢方薬」に私はなりたい。
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2009/09/06 Sun  00:00:00» E d i t
 » それぞれの鍵④ 
 俺の手も相当シワ枯れたが、アイツの頭にも白髪が混じり始めた頃。

 特に意識はしていなかったが「開かない扉に立ち向かい続けること自体が美しい」などと、その扉が開かないことを前提とした考え方で美化されて、アイツと俺が神や救世主のような扱いを受けていた日々は遠く過ぎ、たくさんの月日と共にたくさんの人たちがこの場所に辿り着き、通り過ぎ、それでもなおここに残ったたくさんの「その扉が開く日を待つ人たち」の誰もがもう、諦めかけた頃。






 よちよち歩きのこどもが、ふらふらと頼りなく扉に触れた。


 
 

 それまでの努力が報われたのか、そのこどもが起こした奇跡と見るか。




 
 扉はギシギシ音を立てながら、埃を巻き上げながら開いて行った。
 当初俺たちの背丈ほどだった扉は、いつの間にやら果てしなく大きく重たい扉と化していた。
 




 そう、勝手に自分たちが作ったイメージの中でアイツと俺と、そしてたくさんの人たちは逡巡していたんだ。
 そのこどもは無邪気に笑っていた。
 おそらく、そのこどもから見たこの扉は鍵なんて掛かっていない小さな軽い扉だったに違いない。


 扉の向こうに母親の声でも聴いたかのように、いともたやすくそしてほほ笑みながらその扉を開けて見せた。



 俺も、おそらくその場の誰もかれもが埃の向こうの「輝かしい未来」を胸に描いた一瞬だった。
 





 
 舞い上がった埃がやがて落ち着いて来て、その先に見えたものは「光に満ちた輝かしい未来」でも、おそらくアイツが最初に思っていた風景でも何でもなかっただろう。





 ただ、この世界と同じ風景が、ただ、この世界と同じ色で継続していた。





 
 茫然と立ち尽くすたくさんの人たち
 
 
 
 
 白髪混じりになったアイツはこどもの頭をひとなですると、こどもは扉の向こうによちよちと歩いて行った。
 おどけた顔を見合わせて、アイツは俺に握手を求めて来た。
 お互い、見事なまでにボロボロな手になったもんだ。
 
 「ありがとう。ついに開いたよ。」

 「あぁ。行くのか?ここと何も変わらないようにみえるが?」

 「そんなことはないさ。ついさっきまで僕たちが見ていたのは開かない扉だった。あたかも壁の連続であるかのような、扉だかそうじゃないんだか分からないモノだった。それが少なくとも扉だったことが分かった。たったそれだけのことで世界は変わるんだ。少なくとも僕の世界は変わった。だからこの先を見に行くさ」

 
 ・・・


 相変わらず意味は分からなかったが、あの頃の俺と違ってなるほどアイツの言うことを感じ取ることくらいはできるようになっていた。



 アイツはみんなの方を振り返り薄く微笑みながら軽く頭を下げて扉の向こうへ踏み出した。

 
 「君は・・・」


 「あぁ、俺か。ここにさ、でっかい旗立てて、世界のどこからでも見えるような旗立てて、いつか、いつの日かオマエが挫けて振り返る時、どこかでオマエの見たかった風景を見つけた時に、帰って来れるようにしておくさ。ここが、“俺たち”のスタートだろ?なら、ゴールにもなれるさ」

 「“僕たち”のスタート・・・か。」

 「そう。そして、最終的に帰るべきゴール」

 「ありがとう」

 「・・・オマエ、出会った時からそればっかりだな。俺も言わせてもらうよ。ありがとう。それだけ鍵があれば、この先も結構イケるだろ?・・・じゃあな」









 

 アイツについて行った者。
 ここに残ることを選んだ者。



 たくさんの鍵も、長い間叩き続けた堅牢な扉が開いた喜びも達成感も手に入れた。
 だが、この場所で手にした最高の宝は自分自身が生きている実感。

 扉の向こうに踏み出す生き方があれば、ここに残って新しい明日を創る生き方もある。
 アイツのゴールになるような生き方が俺にはしっくり来る。




 光が煌々と差しているわけでもない、ただこの風景の続きのような扉の向こうにアイツの夢の続きがあるならば、俺の夢の続きはここで創る。








 いつか、笑顔でまた会おう。友よ。

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コメント
この記事へのコメント
いやいやいやいや(笑
 帰ってくるストーリー考えてたのにぃぃぃぃぃ~!!・・・なんちゅーこと言うんですか~アナタはッッッ!!(笑) ガハッ。

 人それぞれ。
 お互いがより良く頑張って行ける道が見つかれば、実はそれが一番幸せなことなのかもしれません。

 で、そういうのを探してるけど「案外側にあって気付かずにいたんですが」っていう椎名林檎的幸福論っぽい感じで書いてみたワケです。

 そのうち、つづきも書くかもしれません。

 ええ。帰って来ますともよ(笑)。
2009/09/07 Mon 05:53:29
URL | フクフク丸:to hi_me姐 様 #oKAhFFW. Edit 
誰も
きっと


戻って来ないね。



だって、



ゴールはないから。





そのかわり、
忘れ物を取りに寄るかもねっ
2009/09/06 Sun 12:32:24
URL | hi_me #- Edit 
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